建築基準法(けんちくきじゅんほう)
建物を建築するときに守らなければならない、もっとも基本になる法律。
国民の生命・健康・財産を守ることを目的に、建築する敷地と道路との関係、用途地域ごとの建築物の種類や規模、建築物の構造や設備の強度・安全性などについて、最低限の基準を定めている。
一定規模以上の建築物をたてる場合は事前に建築確認を受けることが必要となる。
市街化区域(しがいかくいき)
都市計画区域内ですでに市街地を形成している区域(既成市街地)と、線引きが行われた時点で以後10年以内に優先的に市街化を図るべきとされた地域を「市街化区域」という。
同区域内では用途地域が定められ、道路・公園・下水道などのインフラを重点的に整備するとともに、土地区画整理事業や市街地再開発事業などが実施される。
また、一定の開発行為には許可が必要である。
用途地域(ようとちいき)
住宅地に望ましい環境づくりや、商工業に適した地域づくりなど、それぞれの地域にふさわしい発展を促すため、都市計画法に基づいて定められている。
地域区分には大きく分けて「住居系」「商業系」「工業系」の3つがあり、そのなかでさらに細かく分けられ、全部で12種類ある。
各区分によって、建てられるものと建てられないもの、その規模の制限がくわしく規定される。
住宅が建てられないのは「工業専用地域」のみである。
接道義務(せつどうぎむ)
都市計画区域内にある建築物の敷地は、幅員4m以上の道路に2m以上接していなくてはならないと、建築基準法で定められている。
これを「接道義務」という。
つまり、接道義務を満たしていない土地には、住宅などの建物は建てられない。
接道義務違反の土地は、物件広告をする際に「再建築不可」または「建築不可」と表示しなければならない。
周囲に広い空き地があって安全上問題がない場合や二項道路などの例外もある。
セットバック(せっとばっく)
二項道路に接している敷地で、道路の境界線を後退させること。
セットバックした部分は道路と見なされるので、その部分に建物を建築することはできない。
また、建ぺい率・容積率の計算の基になる敷地面積に含めることもできない。
セットバックが必要な面積が、敷地面積の10%以上ある場合は、物件広告を出すときに「要セットバック○平方メートル」といった形で表示する必要がある。
すでに後退している場合は「セットバック済み」となる。
二項道路(にこうどうろ)
建築基準法では原則として幅員が4m以上ないと「道路」と認められない。
ただし、幅員が4m未満でも、建築基準法施行前から使われていた既存道路で、行政から指定をうけた場合には道路とみなされる。
建築基準法第42条第2項で規定されていることから「二項道路」、または「みなし道路」ともいわれる。
二項道路に接している敷地に建築する場合は、状況に応じてセットバックする必要がある。
位置指定道路(いちしていどうろ)
建築基準法上の「道路」のひとつ。
新しく開発された分譲地などの幅4m以上の私道で、特定行政庁が道路位置の指定をしたもの。
ミニ開発で、袋小路状の私道の周りを建売住宅が取り囲んでいるようなケースによくある道路。道路位置の指定を受けるには、公道との交差部に有効な隅切りがあること、側溝を設けること、一定以上のこう配がないことなど、特定の技術的な基準に適合することが条件。
位置指定を受けるまで建築確認は取れない。
防火地域(ぼうかちいき)
都市計画法に基づいて定められる地域。
この地域内には、万一火災が起こっても他に延焼しないような建物・工作物を建てなければならない。
基本的には耐火建築物であること。
平屋または2階建てで、延べ床面積が100平方メートル以下であれば準耐火建築物でもよい。
ただし、延べ面積が50平方メートル以下の平屋建ての付属建物で外壁・軒裏が防火構造になっているもの、高さ2m以下の門や塀などは例外として除外される。
準防火地域(じゅんぼうかちいき)
火災が発生した場合でも延焼速度を遅くし、市街地の防火に役立てることを目的として指定される地域。
4階建て以上の建物はすべて耐火建築物としなければならないが、3階建て以下の場合は規模によって準耐火建築とすることもできる。
準防火地域内に延べ床面積500平方メートル以下の木造3階建て住宅を建てるときは、外壁や軒裏を防火構造とするなど、主要構造部・開口部に関する一定の基準を満たさなくてはならない。
建ぺい率(けんぺいりつ)
住宅の規模(広さ)に対する規制を示す基準のひとつで、敷地面積に対する「建築面積」の割合のこと。
用途地域と都市計画の指定によって上限が定められている。
なお、近隣商業地域と商業地域で防火地域内にある耐火建築物などについては、一定の割合で建ぺい率の割合が緩和される措置もある。
容積率(ようせきりつ)
住宅の規模(広さ)に対する規制を示す数値のひとつで、敷地面積に対する延床面積の割合のこと。
用途地域と都市計画の指定によって上限が定められている。
ただし、前面道路が12m以下の場合は、用途地域によって一定の規制を受ける。
また、住宅の地下室は条件によって不算入にできる。
再建築不可(さいけんちくふか)
中古住宅などの既存の建築物のうち、建て替えや増改築のできない不動産については「再建築不可」「建築不可」と表示することが不動産公取協の表示規約で義務づけられている。
たとえば、市街化調整区域の土地、接道義務(敷地が、4m以上の道路に幅2m以上接していなければならない)に違反している土地建物、既存不適格建築物などである。
建築確認申請(けんちくかくにんしんせい)
建物を建築するためには、工事にとりかかる前に、その計画の内容が建築基準法や関連法令に適合しているかどうか、都道府県または市区町村の建築主事に申請して、確認を受ける必要がある。
これを「建築確認申請」と呼ぶ。
本来は施主が行うものだが、建築士やハウスメーカーなどに代行してもらうのが一般的。
そのための手数料が設計料などに含まれている場合もあるが、別途に請求されることもあるので事前に確認しておく必要がある。
完了検査(かんりょうけんさ)
建築確認を受けたすべての建築物は、工事完了後4日以内にその旨を都道府県などの建築主事または指定確認検査機関に届け出て、建築基準法と関連規定に適合しているかどうか検査を受ける必要がある。
これを「完了検査」と呼ぶ。
完了検査に合格すると「検査済証」が交付され、建物の使用が可能になる。
なお、この検査済証は、住宅金融公庫融資を受けるための必要書類の一つで、民間金融機関でも求められる場合がある。
専用部分(せんようぶぶん)
建物の中で、契約の当事者や管理者がもっぱら一人で使用してもいい部分のこと。賃貸住宅やビルなどの場合に契約の対象となる部分を「専用部分」と呼ぶことが多い。分譲マンションのバルコニーや専用庭などは特定の区分所有者だけが使用するが、これは「専用部分」ではなく、厳密には「共用部分の専用使用部分」という。