相続(そうぞく)
親子、親族関係のある人が亡くなって、その人の遺産を受け継ぐことを「相続」という。
相続ではプラスの財産だけでなく、債権・債務(権利・義務)の一切を引き継ぐという点に注意したい。
人が亡くなった時点で自動的に相続は開始してしまうので、相続人が特に意思表示をしないでも、遺産は承継される。
また、複数の相続人がいる場合、相続は「共同相続」というかたちになり、遺産を分割するまでは全員で共有することになる。
相続人(そうぞくにん)
相続が発生したときに、民法で遺産を受け継ぐことが認められている人を「(法定)相続人」という。
死亡して遺産を残す人は「被相続人」。遺言で相続人以外の第三者に財産を与えることもできるが、その場合に遺産を受けた人は「受遺者」と呼ばれる。
相続人の資格を持っているのは、被相続人の配偶者、子(直系卑 属)、親(直系尊属)、兄弟姉妹の4種類。
また、複数の相続人がいる場合には、財産を相続する順位が決まっている。
遺産分割(いさんぶんかつ)
亡くなった人(被相続人)が残したすべての財産を、相続人に配分する手続きのこと。
分割の方法は(1)遺言書がある場合は遺言による指定(2)遺言がないときは相続人全員による遺産分割協議(3)協議で話し合いがつかない場合は家庭裁判所による調停や審判、の3種類。
分配のしかたには、財産をそのまま分ける現物分割、不動産などを売却・現金化して分ける換価分割、どちらもできない場合の代償分割などの方法がある。
法定相続分(ほうていそうぞくぶん)
相続が発生したときに、相続人のうち誰がどれくらいの財産を受け継ぐかを民法で定めた割合を「法定相続分」という。
配偶者、子、親、兄弟姉妹、それぞれの 相続分が相続順位ごとに指定されている。
遺言や遺産分割協議で、法定相続分とは違う分け方をしても構わない。
相続争いがあり家庭裁判所の調停・ 審判や訴訟で分割する場合は、法定相続分が基準になる。
また、相続税を計算するときにも法定相続分の割合が使われる。
限定承認(げんていしょうにん)
遺産を相続するときに、その中身が全体としてプラスの財産なのか、借金などが多いマイナスの財産なのかわからないような場合に、差し引きマイナスにならない範囲で債務を弁済するという条件付きで相続を承認すること。
正味の遺産額がプラスになった場合は、各相続人の相続分に応じて相続できる。
限定承認の手続きは、相続の開始があったことを知った日から3か月以内にする必要がある。
また、相続人全員で行わなければならない。
相続登記(そうぞくとうき)
相続が発生して、亡くなった人(被相続人)が所有している不動産を相続した場合に所有権移転登記をすること。
手続きには、被相続人の戸籍謄本や遺言書など 相続人を特定するための書類、遺産分割協議書など遺産の分配を証明するものが必要である。
相続登記には期限がなく、申請する義務もない。
登録免許税は相続税評価額の0.4%。
相続放棄(そうぞくほうき)
死亡した被相続人に借金が多くて遺産額がマイナスの場合などに、相続する権利を捨てること。
相続放棄には期限があり、相続の開始があったことを知ってから3か月以内に、所轄の家庭裁判所に相続放棄の申し立てをしなければならない。
一度選択すると、原則として取り消しはできない。
相続放棄をすると、プラス・マイナス一切の財産の相続権を失う。
ただし、死亡保険金などの「みなし相続財産」は、相続放棄をしても受け取ることができる。
相続税(そうぞくぜい)
亡くなった人の財産を相続したり、遺贈によって取得した人にかかる税金(国税)。
課税価格が高いほど税率も高くなる超過累進税率が適用される。
配偶者の税額軽減などの控除がある。